コラム記事

ザガーロ(デュタステリド)とは

ザガーロ(デュタステリド)とは?

AGAは、活性型の男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が原因となり発症します

ザガーロ(一般名:デュタステリド)は、DHTの合成を抑制する働きを持ちます。

具体的にはDHT生成に関与する5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型という酵素の働きを抑制します。

そのためザガーロ(デュタステリド)とは「5α還元酵素阻害薬」といわれております。

ザガーロの薬理作用・効能

AGA(男性型脱毛症)の原因となるDHTは、次のように作られます。

テストステロン + 5αリダクターゼ = DHT(ジヒドロテストステロン)

テストステロンは筋肉や骨などを発達させる男性ホルモンです。

このテストステロンが5αリダクターゼによって変換され、DHTと呼ばれる悪玉男性ホルモンになるのです。

DHTが毛根の受容体に作用すると男性ホルモン受容体と結びつきTGF-βを増やします。

DHT → 男性ホルモン受容体 → TGF-β

TGF-β→FGF-5(毛周期の退行期に脱毛するよう毛包へ指示を出す)へと伝達されます。

まだ成長し続けるはずであった髪の毛は脱毛命令を受け取ると成長期から退行期・休止期にシフトし、やがて抜けていきます。

AGAを治療しないでDHTが増え続けると、髪の成長期が通常2-6年ある状態から半年程度にまで短縮してしまいます。

すると、軟毛化といって十分に発育しない未成熟な髪が増えてきます。

軟毛化した毛髪は細く短い状態であり、そのような未成熟な抜け毛が増えることが、AGA進行のシグナルとなります。

ザガーロには5αリダクターゼの働きを阻害し、テストステロンからDHTがつくられるのを防ぎます。

その結果脱毛の指示を断ち切り、成長期を維持することでAGAの症状を改善することができます。

ザガーロとプロペシアの違い

プロペシア(フィナステリド)との違いは、プロペシアがAGA進行の原因となる還元酵素(5αリダクターゼ)のⅡ型しかブロックしないのに対し、ザガーロはⅡ型およびⅠ型を両方ブロックするため、よりしっかりとしたAGA予防効果が期待できることです。

ザガーロはプロペシアと比較しておよそ60%増の効果を持つという治験がでております。

添付文書でもプロペシアはAGAの進行遅延、ザガーロはAGAの治療と記載に差が認められます。

年齢が30歳を超えた方やステージが進行している方、現状維持ではなくて増毛を希望される方はザガーロが有効な選択肢となりえます。

ザガーロの副作用・注意点

勃起不全、射精不能、射精障害、リビドーの低下など性機能障害があります。

頻度としては5%程度といわれております。

発現率が1%未満の副作用としては、発疹、頭痛、抑うつ気分、腹部不快感、女性化乳房、肝機能障害などが報告されています。

重大な副作用は稀です。重篤な副作用になりうるものとして肝機能障害がありますが、発生頻度は少なく、はっきりは出ておりません。

もともと持病などある人は主治医に相談することも大切でしょう。

容量や用法を守って正しく使用すれば、安全に使用することができます。

とはいえ、副作用が起こる可能性はゼロではありませんので、クリニックでの受診を行ってから使用するようにしましょう。

副作用の頻度は多くないとはいえ医薬品です。きちんと通院することでより安全にザガーロを服用することが大切です。

禁忌

  • ザガーロの成分(デュタステリド)及びプロペシア(フィナステリド)等の5α還元酵素阻害薬に対して過敏症の既往歴のある人
  • 女性・妊婦・産婦・授乳婦等
  • 小児等
  • 重度の肝機能障害のある人

禁忌ではありませんがCYP3A阻害薬との併用は注意となっております。

PSA検査および献血

服用中PSA検査(前立腺癌のマーカー検査)が半分程度で評価されてしまいます。

その際は数値を倍にして換算する必要があります。

また担当医に、AGA薬を服用中である旨伝えていただくのもおすすめです。

プロペシアの半減期は4時間ほどですがザガーロの半減期はおよそ2週間程度あります。

効果が高いということでもありますが、体内から薬が抜けるのには時間がかかります。

またザガーロおよびプロペシア服用中は献血ができません

ザガーロと妊活に関して

添付文書でもザガーロの精液移行率は低く、基本的には問題ないとされております。

性欲減退に関しても、症状がでたときに一時的に服用中止を試みたり、ED薬との併用といった方法があります。

どうしても妊活中の副服用が心配という方は、デュタステリドを使用せず、ミノキシジル内服、ミノキシジル外用やメソセラピー(局所注射)でトライする方法があります。

まずは医師と相談した上でヘアライフと妊活のバランスをとっていただくのが良いかと思います。

ミノキシジルとの違い

ミノキシジルは血管を拡張して毛母細胞への栄養、酸素、エネルギーを供給するお薬です。

成長期を延長して発毛を促す働きもあります。

対して、前述のDHT阻害薬は異常な脱毛スイッチをOFFにすることで効果を発揮します。

ミノキシジルとは作用機序が違うため、年齢や進行stageが高いひと、より高い増毛効果を得たい方は併用がおすすめです。

バケツに穴が開いていて水が漏れているときに穴をふさぐのがザガーロの役割、水を追加するのがミノキシジルの役割です。

この2つの組み合わせによりより高い発毛効果が得られます。

メソセラピー・HARGなど注入治療の追加

ザガーロは内服なので気になる部位への局所作用が薄いという点があげられます。

生え際など局所に気になるところがある方、より積極的に増毛をしたい方は成長因子やミノキシジルを配合した成分を直接注入できるメソセラピーがおすすめです。

最初の半年~1年メソセラピーを併用したのち、内服により維持治療へ移行することでより高い満足度が得られます。

ザガーロによる治療経過

効果の出方は、年齢や進行stageによる個人差があります。

効果実感は、概ね3ヶ月程度してから実感する方が多いです。

飲み始めから1~3ヶ月は新陳代謝が良くなり、古い毛や発育不良の毛が抜ける初期脱毛が見られることが多いです。

これは副作用でもありますが、薬が効いている証拠でもあります。

初期脱毛期間は、他人からみて毛量変化はかわりませんが、抜け毛の本数が増えたと感じる方が多いです。

そのような点から、重篤な副作用がなければまずは半年経過を見ましょう。

状態などと比較して治療強度が足りないときは増毛が不十分であったり、現状維持になることもあります。

最初のスタートだけでもミノキシジルやメソセラピーの併用を医師と相談していくのが良いでしょう。

まとめ

AGAは進行性の薄毛疾患です。

昨今は薄毛治療の研究が進み、改善できる道筋が確立されつつあります。

症状が進行しきってしまう前に、早めに対策を講じることがAGA治療にとって一番の近道となります。

毛髪が及ぼす見た目への影響はQOLに大きく影響します。

リバイブAGAクリニックには経験豊富な医師と、毛髪診断士の資格を有したカウンセラーが在籍しており、お一人お一人にあった治療プランを提案しております。

お一人で悩まず安心してご相談にお越しくだい。

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