男性型脱毛症(AGA)は、ある日突然始まるわけではありません。
じわじわと進行を始め、気が付いた時にはすでに毛量低下や密度低下を感じている場合がほとんどです。AGAは進行性のため、放置しておいても改善は見込めません。
薄毛がはじまる時のサインはあるのでしょうか?今回はAGA進行の前兆について解説してまいります。
AGAの前兆でよくある症状とは?
髪の毛が今日明日でいきなり薄くなることはありません。そのような症状がある場合には他の脱毛症を疑う必要があります。
当院へ受診されたきっかけをお伺いすると、奥様やパートナーの方に指摘された、プールや温泉で髪が濡れた時に周りから薄いと言われたなどとお話される方が非常に多いです。
他者から指摘を受けた場合はすでに進行が始まっている場合がほとんどで、早めに対策が必要となります。
では、薄毛がはじまる時の前兆にはどのようなことがあるのでしょうか。
①M字部分の後退や密度低下
AGAの進行が側頭部からはじまることはありません。
これは、AGAの原因の一部である還元酵素(5αリダクターゼ1型&2型)が生え際~分け目~頭頂を中心に分布しているためです。
M字部分の後退が深くなってしまうと、改善するのに期間も費用もかさんでしまうため、気になり始めたら早めに対策を行いましょう。
②軟毛化した髪が増える
軟毛化とは、細く短い未成熟な毛髪が増えることを指します。
このような状態の毛髪はヘアサイクルが短縮されていることを意味する為、AGA進行のわかりやすいサインになります。
当院では、この軟毛化の状態をマイクロスコープで診断し薄毛のステージを見極めています。
③未成熟な毛髪が抜け落ちる
前述したように薄毛が進行してくると軟毛化した毛髪が増え、未成熟なまま抜け落ちていきます。
この状態のまま放置しておくと、次に成長期を迎えた時にも同様の状態で発毛することになるため軟毛化スパイラルに陥り、どんどん毛母細胞が弱体化していきます。
こうなると加速度的にAGAが進行していきますので注意が必要です。
毛母細胞の寿命を長くキープすることがカギ!
毛母細胞が生涯で繰り返すことのできるヘアサイクルの回数は20回~40回程度とされており、1つのサイクルが2~6年とされています。
すなわち、AGAの影響を受けていない場合には最低年数で換算して2年×20回=40年はある程度の毛量をキープできる計算になります。しかし、ここに遺伝的影響や生活習慣、加齢などが加わり早い段階で薄毛を感じる方がいるのです。
対策を行わないまま、発毛サイクルの持ち分を使いきってしまうと完全な毛量回復が難しくなってしまいます。
これがAGA治療は早めのスタートが肝心である理由です。
AGAになりやすい要因とは?
AGAは、なりやすい要因がいくつかあります。
ご自身にあてはまる項目が多い場合には、意識する必要があります。
以下で確認してみましょう。
遺伝的要因
薄毛は遺伝するという説は耳にしたことがあると思います。これは事実です。
抜け毛ホルモン(DHT)を生成しやすい体質か否かは遺伝的影響にも左右されます。
遺伝的な影響は母方の遺伝子(X染色体)からの影響が強く出ると言われています。しかし、父方からの影響も少なからずあるため、いずれの場合も注意が必要です。
遺伝的要因の場合はご自身ではコントロールが難しいため、気になり始めたら早めに専門クリニックで対策を講じましょう。
頭皮環境が悪い
脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎をお持ちの場合、薄毛のリスクは高くなります。
皮膚炎による頭皮環境の悪化は、髪の毛の正常な成長を妨げ、抜け毛をを引き起こしやすくなります。また、毛髪の成長にも悪影響となります。
日ごろから、正しいシャンプーで適度な油分・水分を頭皮に保つことが大切です。
当院では毛髪診断士の資格を持つカウンセラーが在籍しておりますので頭皮環境についてのアドバイスも行っております。
喫煙習慣がある
髪の栄養は、毛根周りの毛細血管によって運ばれています。
タバコに含まれるニコチンは血管収縮作用があり、特に毛細血管のような微細な血管は影響を受けやすく、髪の成長に必要な栄養が運ばれにくくなることがあります。
適量であれば大きな影響はないと考えますが、1日1箱以上吸うようなヘビースモーカーの方は薄毛リスクが非喫煙者に比べて高くなるため減煙を意識してみると良いかもしれません。
過度な飲酒習慣
適度な飲酒は血行促進作用もあり、毛髪や健康への影響は大きくありません。
ただし、過度なアルコールの摂取には注意が必要です。
厚生労働省による「飲酒ガイドライン」では、男性:40グラム以上/女性:20グラム以上
(1日あたりの純アルコール量)で健康へのリスクが高まるとの発表がされています。
これは缶ビールに換算すると350mL缶で1~2本に相当し、 この程度の量であれば日々楽しめる飲酒量とされています。
対して、先ほどの基準を逸脱した過度な飲酒は髪の成長に悪影響を与えます。
アルコールは体内に入ると肝臓でアセドアルデヒドという毒素を発生させます。その際に、髪の成長に必要なアミノ酸がこの解毒に使われてしまい、髪の成長に必要な栄養が不足してしまうのです。
髪や健康のためには適量を意識して、日々の飲酒を楽しむことが大切です。
関連記事:AGAを感じ始めた時、自分で出来る対策について解説!
薄毛は治せる時代です
男性型脱毛症(AGA)はすでに原因が解明され、医学的治療により薄毛が改善できるようになりました。
当院では患者様の進行度に合わせて最適な治療をご提案しております。
また、AGAやFAGAだけを診ているクリニックが多い中、当院では重症化した円形脱毛症など難しい脱毛症も積極的に治療を行っています。
AGAだと思っていても、他の脱毛症が潜んでいる場合もあります。
薄毛の相談は、あらゆる可能性を考え様々な脱毛症に対応できるクリニックでのご相談をおすすめします。
関連記事:円形脱毛症とAGAが併発することはある?それぞれの特徴や見分け方、治療方法について解説
まとめ
AGAの進行はじわじわ進むため、顕在化しないと気が付かない場合があります。
進行が進んでしまうと毛量の回復に時間や費用がかかるため、なるべく早めの段階で対策を行うことが大切です。
前兆に気が付いても、なかなか相談までは・・・という方も多いかもしれません。
成人男性の3人に1人はAGAを気にしていると言われています。早めに専門クリニックを受診し、気になる生活習慣についても意識してみましょう。
薄毛を感じはじめたら、お一人で悩まず当院までどうぞお気軽にご相談くださいませ。