
円形脱毛症は赤ちゃんからお年寄りまで、年齢・性別に関係なく起こりうる身近な脱毛症です。
場所によっては目立たないことや、「以前は自然に治ったから…」という理由で放置している方も多いのではないでしょうか。
しかし、円形脱毛症は放置することで悪化し、頭部全体にまで広がってしまう場合もあります。重症化を避けるためには、早期の治療が大切です。
この記事では円形脱毛症について、種類と特徴、原因、治し方について解説します。

「円形脱毛症を専門医に相談したい」「治療すべきなのか診て欲しい」
このようなお悩みはリバイブAGAクリニックまでご相談ください。
当院は円形脱毛症の治療を専門としており、重症化した例も治療実績があります。
円形脱毛症とは?円形・楕円形の脱毛症が突然生じる疾患

円形脱毛症は、円形または楕円形の脱毛斑が突然生じる脱毛症です。
一般に「10円ハゲ」とイメージされる単発型や多発型をはじめ、頭部全体に拡大する全頭型や、まゆげやヒゲなどの体毛まで抜け落ちてしまう汎発型など、症状の重さは人それぞれ異なります。
また、年齢や性別を問わず発症することも円形脱毛症の特徴です。
患者の約4人に1人は15歳以下の子どもと言われており、当院には、お子様の円形脱毛症の相談に来院される方も多くいます。
※当院では原則として15歳以上の方を対象に診察しておりますが、症状によってはお子様の診察も可能です。詳しくはクリニックまでお電話でご相談ください。
参照:新潟大学皮膚科における最近6年間の円形脱毛症の統計的観察
円形脱毛症の種類と特徴

円形脱毛症は脱毛斑の数や範囲などによって、大きく次の5つの種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
単発型 | 小さな円形または楕円形の脱毛斑が1ヶ所のみできる |
多発型 | 2つ以上の脱毛斑が同時または連続して現れる |
蛇行型 | 側頭部から後頭部に向かって帯状に脱毛する |
全頭型 | 脱毛斑が頭部全体に広がる |
汎発型 | 頭部だけでなく全身の体毛も脱毛する |
それぞれの種類と特徴について、詳しく解説します。
単発型:小さな円形または楕円形の脱毛斑が1ヶ所のみできる

単発型は円形脱毛症の中では最も軽い症状です。
小さな円形または楕円形の脱毛斑が1ヶ所のみできるのが特徴で、アトピー性疾患や自己免疫疾患の既往歴がない場合は、約80%が1年以内に自然治癒すると言われています。
参照:日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
ただし、症状には個人差があり、多発型や全頭型へと悪化してしまうケースもあります。
とくに15歳以下で発症した場合や、症状が悪化した場合は回復率も低い傾向にあるため、早期の治療が大切です。
参照:Juvenile versus maturity-onset alopecia areata–a comparative retrospective clinical study
【当院の実際の症例】

多発型:2つ以上の脱毛斑が同時または連続して現れる

多発型は、2つ以上の脱毛斑が同時または連続して現れる症状です。
多発型の円形脱毛症は、治療せずにいると脱毛斑が拡大したり、再発を繰り返して慢性化したりするなど、症状が悪化しやすい傾向にあります。
多発型の円形脱毛症が見られる場合は放置せず、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
【当院の実際の症例】

蛇行型:側頭部から後頭部に向かって帯状に脱毛する

蛇行型は、側頭部から後頭部に向かって帯状に脱毛する症状です。
円形脱毛症の中でも特殊なケースで、一見すると円形脱毛症には見えないかもしれませんが、脱毛斑が細長く結合して帯状になっています。
蛇行型は多発型と合併するケースも多く、治療は難しいとされています。
なお、当院では蛇行型の円形脱毛症においても改善した症例が多数あります。
【当院の実際の症例】

全頭型:脱毛斑が頭部全体に広がる

全頭型は脱毛斑が拡大、融合を繰り返して頭部全体に広がった状態です。
治療は非常に難しく、全頭型や汎発型へ移行した場合の回復率はかなり低くなります。
治療を断念し、ウィッグやかつら等の使用を選択する方も多くいます。
【当院の実際の症例】

汎発型:頭部だけでなく全身の体毛も脱毛する

汎発型は、頭髪に加えてまゆ毛やまつ毛、髭など、全身の体毛まで抜け落ちてしまう、円形脱毛症の中では最も重い症状です。
外見の変化が顕著であるため、精神的な負担も大きく、回復にはクリニックでの治療とあわせて精神的なサポートも必要になるでしょう。
当院では治療が難しいとされる全頭型や汎発型の治療も積極的に行っておりますので、一度治療を断念してしまった方もぜひ、無料カウンセリングに足を運んでみてください。
円形脱毛症の初期症状と回復するまで

円形脱毛症の初期症状と、回復するまでの大まかな流れは以下のとおりです。
流れ | 説明 |
1.円形または楕円形の脱毛斑が突然現れる | 突然髪が抜け落ち、脱毛斑が1個または複数現れます。炎症やかゆみが見られる場合もあります |
2.(悪化した場合)脱毛斑が増えたり、広がったりする | 悪化すると多発型や蛇行型に移行する場合があります |
3.(さらに悪化した場合)脱毛斑が頭部全体に広がる | 全頭型や汎発型にまで悪化すると、治療は難しいとされています |
4.脱毛斑に産毛や白髪が生え始める | 円形脱毛症の回復初期では、産毛や白髪が生えます。髪に色を着ける細胞が、あとから回復するためです |
5.生えてくる髪が徐々に太く、黒くなっていく | 徐々に髪が太くなり、正常な状態に戻ります |
円形脱毛症の進行速度や治るまでの期間は、重症度や治療の選択など、さまざまな要因によって異なります。
小さな脱毛斑が1つだけできる「単発型」であれば、約80%の方が1年以内に自然治癒すると言われています。
参照:日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
しかし、多発型の場合は重症化しやすい傾向にあり、治療が数年に及ぶこともあるため、早期の治療開始が大切です。
円形脱毛症の原因とメカニズム

円形脱毛症の主な原因は以下の4つです。
- 自己免疫疾患
- 遺伝
- アトピー素因
- ホルモンバランスの変化
それぞれ、詳しく解説します。
1.自己免疫疾患

円形脱毛症の原因として有力視されているのが「自己免疫疾患」です。
自己免疫疾患とは、免疫機能に異常が起こり、Tリンパ球が自分の細胞や組織を異物と認識して攻撃してしまうことで起こる症状のことです。
円形脱毛症は甲状腺疾患や尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)など、他の自己免疫疾患と併発しやすいと言われています。
自己免疫疾患 | 症状 |
甲状腺疾患 | 無気力、疲れやすい、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘など |
尋常性白斑 | 肌の色が白く抜ける |
全身性エリテマトーデス(SLE) | 顔面蝶形紅斑・発熱・倦怠感・関節痛・口内炎など |
関節リウマチ | 関節の痛み・腫れ・こわばりなど(朝に強く見られる) |
梅毒 | 発熱・倦怠感・頭痛・のどの痛み・リンパ腺の腫れなど |
以上の自己免疫疾患の症状や既往症のある方は、専門のクリニックで診察を受け、治療に望むことが大切です。
2.遺伝

円形脱毛症を発症するかどうかは、遺伝の影響が大きいと考えられています。
中国の調査によると円形脱毛症患者の8.4%に家族内発症があり、患者との関係(親等)が近いほど発症率は高い傾向にあるそうです。
参照:The genetic epidemiology of alopecia areata in China
円形脱毛症には次項で解説するアトピー素因をはじめ、さまざまな遺伝的要素が関与していると言えます。
3.アトピー素因

アトピー性疾患が起こりやすい体質を「アトピー素因」といい、アトピー素因は遺伝することがわかっています。
円形脱毛症はアトピー性皮膚炎や花粉症、気管支喘息など、アトピー性疾患との合併率が非常に高く、アレルギー体質の方は円形脱毛症になりやすいと言えるでしょう。
4.ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化は、円形脱毛症の直接的な原因ではありませんが、円形脱毛症を発症するきっかけとなる可能性があります。
ホルモンは、私たちの体のさまざまな機能を調節する情報伝達物質です。ホルモンバランスが乱れると、さまざまな健康問題を引き起こします。
たとえば、ストレスによってストレスホルモンであるコルチゾールが増加すると、免疫系に異常を引き起こす可能性があります。
また、性ホルモンであるエストロゲンとテストステロンは、どちらも髪の成長と健康に関係するホルモンです。
とくに、女性は出産後や更年期にこれら性ホルモンのバランスが崩れやすく、円形脱毛症を発症したり、悪化させたりする可能性があります。
円形脱毛症になりやすい年齢はある?
円形脱毛症は年齢に関係なく、赤ちゃんからお年寄りまで誰でも発症する可能性があります。
アメリカのミネソタ州で行われた調査によると、円形脱毛症の発症率はおよそ0.2%(1万人あたり20.2人)で、男女差はなく、全年齢において同様の比率であったそうです。
参照:Incidence of alopecia areata in Olmsted County, Minnesota, 1975 through 1989
10代の多感な時期に発症するケースもあり、親子で相談に来られる方も多くいます。
繰り返しになりますが、円形脱毛症を発症した場合は早期に医師の診断と治療を受けることが大切です。
円形脱毛症は自然に治る?病院に行くべきかどうか

円形脱毛症は軽度であれば、1年以内に約80%の方が自然治癒すると言われおり、「円形脱毛症診療ガイドライン」においても、単発型または少数の脱毛斑(数個程度)の場合、発症後1年以内は経過を観察するだけでもよいとされています。
ただし、以下に該当する方は悪化する可能性が高いため、円形脱毛症を見つけたら早めに医師の診察を受け、治療を開始したほうがよいでしょう。
- アトピー性疾患や自己免疫疾患の既往歴がある方
- 過去に円形脱毛症を発症したことがある方
- 脱毛斑が1年以上治らない方
- 15歳以下で発症した方
- 多発型や蛇行型など重症度の高い方
円形脱毛症の治し方

円形脱毛症を治す方法・回復を早める方法は以下の3つです。
- クリニックで治療を受ける
- 生活習慣を整え・ストレスを溜めない生活を送る
- 円形脱毛症の原因となる病気を治療する
それぞれ、詳しくみていきましょう。
1.クリニックで治療を受ける

円形脱毛症を治すには、皮膚科または薄毛専門のクリニックで適切な治療を受ける必要があります。
「円形脱毛症診療ガイドライン」において、推奨される治療法は以下のとおりです。
治療方法 | 特徴 | 副作用 | 保険適用の有無 |
ステロイド療法 | ステロイド薬により免疫反応を抑制する。 外用薬と局所注射がある | ざ瘡、毛包炎、局注部位の萎縮、 疼痛,血管拡張など | ○ |
局所免疫療法 | 人工的にかぶれを起こし、発毛を促進する | 接触皮膚炎症候群、局所のリンパ節腫脹、 頭痛、倦怠感、蕁麻疹、色素沈着、色素脱失など | × |
また、以下の治療法は行っても良いと評価されています。
治療方法 | 特徴 | 副作用 | 保険適用の有無 |
冷却治療 | 脱毛部位を冷却し、免疫反応を抑える | 冷却による寒さ、頭痛など | × |
紫外線療法 | 脱毛部位に紫外線を照射し、免疫反応を抑える | 炎症、かゆみ、湿疹など | × |
直線偏光近赤外線照射療法 | 近赤外線を照射し、血行を促進する | なし | × |
点滴静注ステロイドパルス療法 | ステロイドを3日間点滴静注し、免疫反応を抑える | 肥満、満月様顔貌、緑内障、糖尿病、 月経不順、消化器症状、ざ瘡、骨粗鬆症など | × |
ウィッグ(かつら)の使用 | ウィッグ(かつら)を装着し、精神状態を改善する | なし | × |
推奨される治療法で回復が見込めない場合や、より回復を早めたい場合は検討してみるのもよいでしょう。
2.生活習慣を整え・ストレスを溜めない生活を送る

円形脱毛症の再発を抑え、回復を早めるためには、ストレスをできる限り避けつつ、規則正しい生活を送ることが大切です。
栄養バランスの良い食生活、十分な睡眠、適度な運動は体全体の健康に良い影響を与え、円形脱毛症の回復を早めることが期待できます。
また、ストレスは円形脱毛症の悪化や再発の原因となる可能性があるため、溜めすぎず、適度に発散するようにしましょう。
新しい趣味やリラクゼーションなど、ストレス発散のテクニックを実践し、心身がリラックスできるよう心がけてください。
3.円形脱毛症の原因となる病気を治療する

円形脱毛症は自己免疫疾患や甲状腺疾患など、さまざまな病気によって引き起こされるとされています。
円形脱毛症の原因が明確でない場合や、治療方法をいくつか試しても改善が見込めない場合には、何らかの別の病気が潜んでいる可能性もあるでしょう。
原因となる病気を適切に治療しなければ、再発が繰り返され、円形脱毛症の改善が見込めない場合もあります。
このような場合は一度専門クリニックで医師の診察を受け、原因となる病気の治療に専念することをおすすめします。
円形脱毛症の治療にかかる期間

円形脱毛症の治療にかかる期間は、症状の重症度や、治療法の選択などによって異なります。
数ヶ月で完治する場合もあれば、数年以上の長期にわたって治療が続く場合もあり、個人差は大きいです。
当院のホームページでは症例ごとの治療期間をまとめていますので、目安としてご覧いただくのもよいでしょう。
症状が改善しても、再発を予防するために定期的なフォローアップや継続的な治療が必要になる場合もあります。
重症化する前に、早期に治療を始めることが大切です。
当院の治療について

当院では、各種有効成分をカクテルしたオリジナルの局所免疫療法をはじめ、患者様それぞれの症状に合わせた、円形脱毛症専用のオーダーメイド治療をご提案しております。
治療が難しいとされる蛇行型や全頭型、汎発型など、重症化した円形脱毛症の治療も積極的に取り組んでおり、遠方から来院される方も多くいらっしゃいます。
治療内容については、患者様の状態によって大きく変わるため、まずは無料カウンセリングにてご相談ください。
円形脱毛症に関してよくいただくご質問

円形脱毛症に関して、当クリニックによくいただく質問をまとめました。
円形脱毛症はいつのストレスですか?
円形脱毛症の引き金となったストレスの特定は困難です。
円形脱毛症の発症は必ずしもストレスが原因とは限らず、自己免疫の異常や遺伝など複数の要素が関係してると考えられています。
円形脱毛症になった場合、してはいけないことはありますか?
円形脱毛症になった場合、以下のことに注意してください。
してはいけないこと | 説明 |
自己診断や自己治療 | 市販薬や海外医薬品の個人輸入による自己治療は症状を悪化させる可能性があります。必ず医師に相談してください |
ストレスの溜めすぎ | 過度のストレスは円形脱毛症を悪化させる可能性があります |
脱毛部分に強い刺激を与える | 脱毛斑部分を強く擦ったり、毛を自分で抜いたりすると、回復が遅れてしまう可能性があります |
円形脱毛症の原因は男女で異なりますか?
円形脱毛症の発症に男女差はなく、原因は性別によらず同様と考えられます。
円形脱毛症の発症に関与する要因としては、自己免疫疾患、遺伝、アトピー素因などがありますが、これらはすべて性別が関連しないものだからです。
子供の円形脱毛症は何科に行けばよいですか?
子供の円形脱毛症は皮膚科(小児皮膚科)を受診するのが一般的です。
皮膚科は皮膚や毛髪に関する病気の診察や、治療を行う診療科目です。皮膚科を訪れる患者の0.7~3.8%は円形脱毛症の患者と言われています。
円形脱毛症を早く治すために食べた方がいい物はありますか?
円形脱毛症の治療において、直接的に効果のある食べ物や栄養素は確認されていません。
しかし、栄養バランスの良い食生活を維持することで、免疫機能と健康に良い影響を与え、回復を早める効果が期待できます。
日々の食事ではジャンクフードや高カロリー食の食べ過ぎに注意しつつ、髪の成長に必要なタンパク質、亜鉛、ビタミンなどを積極的に取り入れるとよいでしょう。
円形脱毛症を繰り返す理由はなんですか?
円形脱毛症は遺伝的な要素が大きく、「円形脱毛症になりやすい体質」の方は再発を繰り返す可能性が高いといえます。
再発を100%防ぐ方法はありませんが、円形脱毛症の再発率を少しでも下げるためには、規則正しい生活とストレス管理が大切です。
円形脱毛症の薬はいつまで続ければいいですか?
円形脱毛症の症状が回復してからは、薬を飲み続ける必要はありません。
再発を防止するためには、発症の引き金となるストレスをできる限り避け、規則正しい生活を送ることが大切です。
円形脱毛症は放置せず、気づいた時点で医療機関を受診しましょう
円形脱毛症は「症状が軽いから」「目立たないから」といって放置せず、気づいた時点で早めに医療機関を受診しましょう。
とくに15歳以下で発症した場合や、再発の場合は重症化しやすく、治療が数年以上続くケースも珍しくありません。
なお、当院では円形脱毛症専用の治療を行っております。
治療が難しい全頭型の改善症例もございますので、これまで治療を諦めていた方もぜひ、無料カウンセリングにお越しください。